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織物 さんさ裂き織り工房/石頭 悦

幸せは呼ぶと来る。

     

盛岡さんさ踊り

 

「盛岡さんさ踊り」と「南部裂き織り」を融合。

青森の「ねぶた」、秋田の「竿灯(かんとう)」、仙台の「七夕」、山形の「花笠」など、東北の夏を彩る祭の中で、トップを切って開催される祭が岩手県盛岡市にある。
「サッコラ〜チョイワヤッセ」のかけ声とともに、華やかな浴衣で踊り手たちが舞う「盛岡さんさ踊り」だ。観る者を魅了するカラフルな浴衣は、企業や学校、有志のグループなどが、それぞれ趣向を凝らして作った揃いの浴衣。この「さんさ踊り」の浴衣生地を使い、製品としてあたらしい価値を創造する工房がこの地にある。

「盛岡さんさ踊り」の浴衣と、南部に伝わる「裂き織り」の技術を融合させた「さんさ裂き織り」を提案する「幸呼来Japan(さっこらじゃぱん)」である。

 

     

教育者からリフォーム会社社員へ転身。

幸呼来Japan代表 石頭 悦(いしがしら えつ)氏。山形県酒田市出身の彼女は、高校は秋田、大学は山形で過ごした。「大学時代は教育学部でしたので、将来は教育者を目指していました」。
大学を卒業後、就職は盛岡へ。塾の講師やピアノの先生、小学校教師を務めた。社会人になって10年ほど経ったある日、友人からの紹介で、住宅リフォームの会社に転職する。
「何か新しいことをはじめて、自分の可能性を広げたいと思っていた」。教育系の仕事からの転身、建設業界のことなど全く分からない。最初は電話番から。職人さんからの電話を取り次ぐのにも、難しい業界用語ばかり。意味は分からないが一言一句をメモして社長に伝えた。新しい職場での新鮮な毎日を過ごすうち、仕事に活かせればと「インテリアコーディネーター」、「福祉住環境コーディネーター」、「2級建築士」の資格を取得。「小さな会社だったからいろいろやりました」。住宅リフォームの会社だけに、バリアフリー対応の住宅改装なども多く、福祉住環境コーディネーターの資格が役立った。そんな折り、盛岡市内の高等支援学校を訪れる機会がやってくる。

 

織物 さんさ裂き織り工房

     

織物 さんさ裂き織り工房 商品

 

障害者の方々の技術を活かせないかと考えた。

高等支援学校は、障害を持った人の職業訓練などが行われるところだ。石頭氏はそこで、生徒さんが作った裂き織作品に感動する。
裂き織とは、古くなった布を細かく裂いて、再び織り上げた再生布のことで、石頭氏もこのとき初めて知ったという。「盛岡にこんなにすごいものがあったことを知り感激しました。同時に、裂き織にとても興味を持ったので、その後、街で市販されているのものを見つけたりしました。でも、支援学校の生徒さんが作ったもののほうが私には仕上がりがキレイで質が高いと感じられたのです。なんとかこの製品を売り出せないか。あの障害者の方々の技術を活かせないかと考えました」。支援学校で裂き織のバッグを作ってもらい愛用していたが、建築の会議などで会う方々が、バッグに興味を持ち、障害者の方が作ったというとさらに驚かれた。これ事業化したら?という方もいた。石頭氏は思い切って自分が務めるリフォーム会社の社長に相談した。
「タイミング良く、盛岡市緊急雇用創出事業という公募があり、応募して企画が通り、予算がおりたんです」。2010年7月、障害者2人、健常者1人を雇用し、会社の二階を間借りするかたちでリフォーム会社の一部門として「裂き織事業」はスタートした。

     

独立を決意するのに時間はかからなかった。

盛岡市緊急雇用創出事業としての運営は、2010年7月〜2011年3月で予算が切れたが、盛岡市が行う「ふるさと創生事業」という行政の取り組みで、もう1年、支援が受けられることになった。その矢先、あの東日本大震災が起こった。「震災の影響で、リフォーム会社での裂き織り事業の継続は困難になってしまいました。社長からは、事業の廃止を相談されました。でも、盛岡市の支援はあるし、私としては、今働いている障害者の方の働く場所がなくなるのは絶対に避けたいと考えていました」。石頭氏が独立を決意するのに時間はかからなかった。社長も彼女の決断を認め、こころよく送り出してくれた。こうして裂き織事業は一人歩きを始めた。幸呼来Japanの誕生だ。

 

織物 さんさ裂き織り工房 素材

     

織物 さんさ裂き織り工房

 

さんさ踊りの浴衣を使って色柄の美しい裂き織りを。

裂き織をこなすスタッフは、支援学校の卒業生が幸呼来Japanに就職してきた。とにかく仕事中の集中力がすごい。そして、作業の丁寧さが庶民の暮らしの中で育まれた裂き織の完成度を、製品レベルにまで高めている。障害者の技術+岩手の裂き織技術の継承。石頭氏の理想は着実にかたちになり始めていた。しかし、いくら製品が素晴らしくても、スタッフが数人しかいない体制では、事業として成り立たない。石頭氏は生産体制を整えるために「就労継続支援A型事業所」として申請し、障害のあるスタッフを多数雇用しても事業が継続できるように体制を整えた。
「会社としてなんとかやっていける目処がたってよかったのですが、もうひとつ問題があったのです。それは裂き織に使う布。裂き織はあくまでリサイクルの商品ですから、布の確保をどうするか悩みました。そんな時、ちょうど、さんさ踊りの時期だったんです。さんさ踊りに使われる浴衣は、何年か一度に替えられるので、使われなくなった浴衣が、倉庫に眠っているという話を思い出し、さんさ踊り実行委員会に相談しに行きました」。持ち前の行動力を活かして飛び込んだ石頭氏。熱心に事業の概要を話すと、実行委員会も喜んで協力してくれることが決まり、古い浴衣を譲ってもらえるようになった。「さんさ踊りの浴衣は色合いがキレイなので、色柄の美しい裂き織りができるんです。だから〈さんさ裂き織り〉と名付けしました」。

     

「サッコラ」とは「幸せは呼ぶと来るんだよ」ということ。

編み目が詰まっていて縦糸のラインが揃っている細かな処理から生まれる美しい裂き織は、幸呼来Japanならではの品質といえる。浴衣の色柄によって、さんさ裂き織りの柄も偶然出来上がる。だから、全く同じ柄は作れない。ある意味、世界で一つのものが完成するのだ。「私たちの〈さんさ裂き織り〉は、さんさ踊りの浴衣から作っているから、カラフルでキレイです。若い人も使いたくなるような商品を作りたいと思っています」。
社名の由来は、盛岡市の夏の祭典「盛岡さんさ踊り」の「サッコラ〜チョイワヤッセ」の掛け声からきている。「サッコラ」の意味は「幸せは呼ぶと来るんだよ。」ということ。東日本大震災での傷跡がまだ残る日本に幸が来るように願い、さらに、さんさ裂き織りを世界へ発信するために、社名を「幸呼来Japan」とした。

幸呼来という縁起のいい字面と、美しい製品の魅力で、さんさ裂き織りは今、世界でも注目されはじめている。

 

織物 さんさ裂き織り工房/石頭 悦

     

作り手紹介

織物 さんさ裂き織り工房/石頭 悦

石頭 悦さん

山形県酒田市出身。大卒後、盛岡に就職。教育職を経て、リフォーム会社へ転職。そこで「裂き織」に魅了され、事業として立ち上げる。2010年7月より「伝統工芸裂き織の技術継承と障害者雇用事業」として、盛岡市緊急雇用創出事業を受けて、さんさ裂き織り工房がスタート。2011年9月幸呼来Japanを設立。石頭氏の情熱と行動力が、社名のようにどんどんと幸を呼び込んで来ているのを取材中に感じられた。世界での販売も目指している。

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さんさ裂き織り工房

職人インタビュー

盛岡の「さんさ踊り」で使われなくなった浴衣を利用し「さんさ裂き織り」製品として新しい価値を生みだしています。

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さんさ裂き織り工房 ノートカバー

さんさ裂き織り工房 ノートカバー

3,024~4,104
素朴で温かみのある色合いと風合いで、スケジュール帳や日記帳にもおすすめの「さんさ裂き織りのノートカバー」です。盛岡さんさ踊りの浴衣を使い、もとになる浴衣によって柄が微妙に変わるため、世界に一つだけのノートカバーといえます。これも、手作業で丁寧に織り上げる「さんさ裂き織り」ならではの魅力です。
サイズ(sac_note):
カラー(sac):
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さんさ裂き織り工房 ブックカバー

さんさ裂き織り工房 ブックカバー

2,592~3,024
心地いい質感で手にしっくりと馴染み、充実した読書の時間を演出する「さんさ裂き織りのブックカバー」です。盛岡さんさ踊りの浴衣を使い、もとになる浴衣によって色合いや柄が微妙に変わるため、世界に一つだけのブックカバーといえます。これも、手作業で丁寧に織り上げる「さんさ裂き織り」ならではの魅力です。
サイズ(sac_book):
カラー(sac):
数量:

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さんさ裂き織り工房 ペンケース

さんさ裂き織り工房 ペンケース

2,484
素朴で温かみのある色合いと風合い。さんさ裂き織りでこしらえたペンケース。必要なペンは数本だけ、というときにおすすめです。軽量だから気軽に持ち歩けて、使うときに机に広げると、ホッと和める雰囲気が漂います。色合いや柄は、もとになる浴衣によって微妙に変わるので、世界に一つだけのペンケースといえます。手作業で丁寧に織り上げるさんさ裂き織りならではの魅力です。
カラー(sac):
数量:

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さんさ裂き織り工房 コースター 2枚セット

さんさ裂き織り工房 コースター 2枚セット

723
テーブルを彩る素朴で温かみのある色合いと風合い。さんさ裂き織りでこしらえたコースターです。シンプルなデザインと素朴な質感は、ふだん使いの小物ながら、センスのよさを感じさせる仕上がりです。色合いや柄は、もとになる浴衣によって微妙に変わるので、世界に一つだけのコースターといえます。手作業で丁寧に織り上げる「さんさ裂き織り」ならではの魅力です。
カラー(sac):
カラー(sak2):
数量:

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さんさ裂き織り工房 さんさポーチ

さんさ裂き織り工房 さんさポーチ

3,078
浴衣はもちろん、ふだん使いでもオシャレな「さんさ裂き織りのポーチ」です。フラップ部分に素朴で温かみのある裂き織り布を使用し、デニム調の生地とのコントラストで色合いが映えるデザインとなっています。色合いや柄は、もとになる浴衣によって微妙に変わるので、世界に一つだけのポーチといえます。手作業で丁寧に織り上げる「さんさ裂き織り」ならではの魅力です。
カラー(sac):
数量:

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さんさ裂き織り工房 カードケース

さんさ裂き織り工房 カードケース

1,836
名刺交換で相手様も思わず興味深々になることまちがいなしの、素朴で温かみのある「さんさ裂き織りのカードケース」です。シンプルなデザインと素朴な質感、個性的でセンスのよさを感じさせる仕上がりです。色合いや柄は、もとになる浴衣によって微妙に変わるので、世界に一つだけのカードケースといえます。手作業で丁寧に織り上げる「さんさ裂き織り」ならではの魅力です。
カラー(sac):
数量:

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さんさ裂き織り工房 南部の灯火

さんさ裂き織り工房 南部の灯火

21,600
素朴で温かみのある「さんさ裂き織り」と、盛岡伝統の鋳物技術が継承されている「南部鉄器」との組み合わせから生まれた、岩手の風情を映す照明(間接照明)「南部の灯火(あかり)」。美しい色合いでほんのりと灯る「さんさ裂き織り」の部分と、岩手の春を彩る石割桜や小岩井農場の一本桜をイメージした花びらを表現した「南部鉄器」からもれる光が、心ほぐす安らぎの空間を演出します。
カラー(sac_nanbu):
数量:

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さんさ裂き織り南部の灯火

ほんのりと灯る「さんさ裂き織り」の部分と、桜をイメージした花びらを表現した「南部鉄器」からもれる光が、心ほぐす安らぎの空間を演出します。

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